金蔵院は今から約450年余前の永禄年間以前に開山した、真言宗豊山派の寺院で、十一面観自在菩薩を本尊としてお祀りしております。
金蔵院の正確な開山時期は不明ですが、永禄年間当時の住職である堯存(ぎょうそん)が1566年(永禄9年)に遷化したとの記録が残っており、それ以前の開山だと推察され、小金井市で現存
する最古の寺院だといわれています。
金蔵院は国分寺崖線(通称“はけ”)のすぐ下に位置しています。このはけ下の一帯は湧水に恵まれていることから、古くから人々が定住していたといわれ、小金井発祥の地とされています。
また明治6年、この地に小金井最初の公立学校「尚絅学舎」(明治8年に小金井小学校と改称)が設立され、明治34年に現在地(本町一丁目)に移転するまで小学校として利用されていました。
そしてその後は、大正11年まで小金井村役場としても使われていました。
境内には本堂の他、薬師堂、開星稲荷神社があり、本堂左手には弘法大師修行像、薬師堂裏手には鶏供養塔、山門左手には如来石像、奉納百番供養塔等が建てられています。
開星稲荷神社裏手のケヤキとムクノキは、樹齢は推定400年以上と思われ、小金井市天然記念物に指定されています。
また戦後、境内に白萩を多く植えたので、初秋になると小さな白い花でいっぱいになり、誰云うとなく“萩寺”といわれ親しまれています。